
2016年07月17日
九死に一生
例えば、車を運転していて、ひやっとした、といったレベルの話ではなくて。心の底から、死ぬかもしれない、と思ったことがあるかということ。自分は何十年生きてきて、ほんの数時間前の今日、初めて経験しました。長文になります。お許し下さい…w 大潮の日曜日。今日は一日、自分のためだけに(釣りのためだけに)使えるから、離島へ遠征することに。離島と言っても、海中道路を通過して車で行ける、伊計島。離島のリーフで小物&まさかの大物狙い。昼前が最干なので、良い感じで潮が引いている。ランガン。潮溜まりには本島では見たことがない小魚やカニがいる。ツノダシとかも普通に泳いでいるし。すぐ釣れそうな感じだったけれど、なかなか釣れない。そのうち、遠投したシンペンを根掛かりさせてしまった。チョイ深い場所。そこまで行って回収。半身は海の中。戻ろうと思ったけど、そのまま突っ切って移動。向こう側に見える浅瀬がメチャクチャ釣れそうな気がしたので。立ち位置から凡ゆる角度へ何投も何投も投げる。が、釣れない。なぜ?そのうち、諦めムードになってきて、岸へ戻ろうかと思ったら、今、立っている場所よりも、岸寄りの方が深くなっている。海の色で分かる。時間的には、最干からほんの少し潮が満ちてくる時間でしかないはずだが。リーフへ行く時は毎回必ずタイドグラフのアプリで潮の干満は確認している。大丈夫だろう、と思って、そのまま岸へ向かって海の中を歩いて行ったら、どんどん深くなっていく。腰までが胸下までになり、ついに、首元までになった。あと少しで岸だから、と思って、ロッドを持ったまま、ちょっと泳ごうと思った。そして、泳ぎ始めた。Tシャツに短パン、ビーサン履きのまま。泳ぐ。平泳ぎで。泳ぐ。泳ぐ。泳ぐ。が岸へ着かない。足元を確認する。足が付かない!泳いでも泳いでも、前へ進まない。離岸流だ。この瞬間、初めて、事の重大さを悟る。それまで、手にビーサンとリール付きのロッドを持ったまま、泳いでいたのだけど、ほっぽり出す。全力で、文字通り、死力を振り絞って泳ぐ。が少しも前へと進まない。潮も飲み、体力が落ちてくる。溺れる、とはこういうことなんだな、とその時、はっきり思った。チビの顔が一瞬よぎる。死んでたまるか。しかし、体力が限界。平泳ぎはもうできない。遥か向こうに多分海女さん?が貝を採取してらっしゃるが、叫んだ所で声は届かないだろう。突然、仰向けに裏返る。背泳ぎではない。プールと違って、潮の塩分の浮力があるから、手足でほんの少し推力を集められれば、ギリギリ沈まないで浮いていられる。しかし、これでも、最後は体力が切れる。離岸流は横へ泳げ、という言葉を思い出した。この知識が無かったら、多分死んでいただろう、と思う。流れに逆らわずに横へ横へ移動する。横へ横へ。ふっと足元を確認したら、足が届く位置まで来ていた。九死に一生。足元は裸足だが、オニダルマオコゼもウニも気にならなかった。たった今、死にかけていたので。砂浜へ這い上がって、岩に腰掛けて、暫く、放心状態。助かった…。海を、自然を甘く見ていた。海でのちょっとした無理は絶対やめよう。チビにも、周りの人にも伝えよう。あと、ブログを見てくださる方々にも、ほんの少しの注意喚起にでもなれれば、幸いです。


その後、ネットで検索したら、伊計島の先端の方は、離岸流の発生しやすい場所で、遊泳禁止だということです。裸足のまま、アスファルトで火傷しそうな状態で…w 車へ戻る時も、この海域は潮の流れが速いです!の立看板がありました。
タグ :離岸流
Posted by NAGI at 15:18
この記事へのコメント
伊計島のリーフ、2~3度行ったことがあります。
潮の流れが速くて、大潮なら尚更かもしれないですね。
僕にも、小学生の子供が3人います。
大変な思いをされたと思いますが、本当に無事で良かったです。
潮の流れが速くて、大潮なら尚更かもしれないですね。
僕にも、小学生の子供が3人います。
大変な思いをされたと思いますが、本当に無事で良かったです。
Posted by よっけ at 2016年07月18日 09:11
よっけさん
コメントありがとうございます。今、こうしてお返事できることと、新聞の三面記事に小さく「伊計島で釣人、溺れて死亡」と記載される確率は、本当に五分五分だったと思います。よく助かったな、と自分でも思います。帰りの車のラジオで、昨日は、県内だけでなく、内地でも、水の事故で亡くなられたり行方不明になられたりするニュースが流れていました。これから、子供達は夏休みに入り、海や川のレジャーはトップシーズンに入ります。自戒も含めてですが、子供達には、しっかり自然で遊ぶ時の掟を伝えていきたいと思います。海や川や山は、大人にとっても子供にとっても最高の遊び場だと思うので。
コメントありがとうございます。今、こうしてお返事できることと、新聞の三面記事に小さく「伊計島で釣人、溺れて死亡」と記載される確率は、本当に五分五分だったと思います。よく助かったな、と自分でも思います。帰りの車のラジオで、昨日は、県内だけでなく、内地でも、水の事故で亡くなられたり行方不明になられたりするニュースが流れていました。これから、子供達は夏休みに入り、海や川のレジャーはトップシーズンに入ります。自戒も含めてですが、子供達には、しっかり自然で遊ぶ時の掟を伝えていきたいと思います。海や川や山は、大人にとっても子供にとっても最高の遊び場だと思うので。
Posted by NAGI
at 2016年07月18日 23:10

初めまして
私も釣り好きな親父でカヤックでも死にかけたことがありますが
ライフジャケットだけはウェーディングでも最低限必要ですよね。
命より高いものはないです
私も釣り好きな親父でカヤックでも死にかけたことがありますが
ライフジャケットだけはウェーディングでも最低限必要ですよね。
命より高いものはないです
Posted by なをぢ at 2016年07月24日 19:52
なをぢさん
コメントありがとうございます。ライフジャケットは必要ですね。痛感しました。釣りが大好きだからこそ、怪我をしたり、命を落とすようなことは絶対にしたくないし、してはならないと思います。
コメントありがとうございます。ライフジャケットは必要ですね。痛感しました。釣りが大好きだからこそ、怪我をしたり、命を落とすようなことは絶対にしたくないし、してはならないと思います。
Posted by NAGI
at 2016年07月25日 22:24

ご無事でよかった。
私もウィンドサーフィンでロープが切れて、流されたことがあるので、
海の怖さ
痛感しています。
離岸流怖いですね
私もウィンドサーフィンでロープが切れて、流されたことがあるので、
海の怖さ
痛感しています。
離岸流怖いですね
Posted by 釣り人しゅういち
at 2016年07月28日 12:43

釣人しゅういちさん
コメントありがとうございます。怖い思いされていますね。ライフジャケットを着用していれば、溺死は避けられる可能性は高いと思いますが、例えば、離岸流で一気に数百メートル、沖合いに流された場合、陸地が見えなくなり、方角が分からなくなったりすると、相当危険な状態になると思います。なので、カヤックで出航する際にも、万一に備えて、アナログなコンパスや海図もあった方が良いのかな、と思います。スマホだけでは、バッテリー切れや故障、水没等もあるので。
コメントありがとうございます。怖い思いされていますね。ライフジャケットを着用していれば、溺死は避けられる可能性は高いと思いますが、例えば、離岸流で一気に数百メートル、沖合いに流された場合、陸地が見えなくなり、方角が分からなくなったりすると、相当危険な状態になると思います。なので、カヤックで出航する際にも、万一に備えて、アナログなコンパスや海図もあった方が良いのかな、と思います。スマホだけでは、バッテリー切れや故障、水没等もあるので。
Posted by NAGI
at 2016年07月28日 22:59

NAGIさん
なるほど〜確かにそうですね。
アナログのコンパス懐かしいですね。
普通のだと錆びるから、ダイバー コンパスで検索したら、ダイバーコンパスって、名前そのもののコンパスがあるんですね。
なるほど〜確かにそうですね。
アナログのコンパス懐かしいですね。
普通のだと錆びるから、ダイバー コンパスで検索したら、ダイバーコンパスって、名前そのもののコンパスがあるんですね。
Posted by 釣り人しゅういち
at 2016年07月29日 09:13
